エピソード48 タカハシさんの中国みやげ その一
時は2007年も押し迫りきった大晦日の夜、ここは神戸市中央区波止場町 無番地
店の名前はJames Blues Land
なんとも趣旨のアヤフヤなライブの幕が上がろうとしていた。
出演者には我らが金森幸介の名もある。
午後十時前、光玄氏がさりげなく登場。なにげなく口上。ありえなく同情。
韻を踏んでる場合ではなかった。舞台裏で我々はハラハラだったのである。
ラップスティールの岩佐氏との共演の後、ソロで2曲歌って金森幸介とチェンジする
段取りだった光玄氏が、何曲歌っても終わる気配を見せないのである。
しかも光玄氏自身がハメ撮り、いや自画撮りしようと楽屋にセットしていった
三脚上のビデオカメラの”REC”が止まっているのである。意味ないじゃんである。
にもかかわらずご本人、ご満悦の大熱演である。
しかしもはや日付が変るまでそんなに余裕はない。笑ってる場合ではないのである。
無意味に過ぎていく時間(コラコラ!)
我々はこんな段取りの悪い奴の歌を聴かされながら新年を迎えるのか(言い過ぎ!)
なんとか光玄氏、正気を取り戻し終演、幸介氏にタッチ。
幸介氏のソロはいつも通り腹八分目に病気なしのメニューで終了。
年が明けるまでまだ少し余裕がある。迫る新年に高まる期待。
しかし、幸介、光玄、岩佐三氏揃い踏みの演奏途中、
ただひたすら地味~~に我々の2008年は幕を開けたのであった。
普通、年越しライブちゅうもんは”カウント・ダウン”て言うんですか?
「3!2!1!0!ハッピーニューイヤ~~ン!」
その瞬間、周りのおネエちゃんの誰彼かまわずハグしてOKみたいなパラダイスを想像しつつ
このイベントに参加した私などはとにかく、初ズッコケをくらいましたよ。いやほんと。
おっさんらのアホ~!金返せ~!千円しか払てへんけど...
沖に停泊した何隻もの外国船からニューイヤーコールの汽笛が霧のように流れた。
せ、切ない...今からでも遅くない。
近くのガールズ・バーにでも移動してフィーバーしようとした私だったが、
ステージを降りてきた金森幸介が「hiro、ちょっと紹介しとくわ」なんて言うので
「キレイなおネエちゃんやったらいつでも大歓迎やがな」といざなわれたその先には...
いかにもサエないおっちゃんが一人待っていたのであった。
...あかん。新年早々もう今年は厄年や。天中殺や。三隣亡や。バンバンジーや~!
おっちゃんにものすごく失礼しつつその二に続く。次回でフォローします。