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エピソード65 甘~い囁き

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「フランク永井は低音の魅力~ 神戸一郎も低音の魅力~
水原ヒロシも低音の魅力~ 漫談の牧伸二低脳の魅力
あ~あ~あ やんなっちゃった あ~~あ~ 驚いた」
とウクレレを弾きながら歌っていたのは漫談家の牧伸二ですが、
最近めっきり低音の魅力を売りにするシンガーを見かけなくなったと思いませんか。
どれだけきれいにハイトーンが出せるかが昨今のシンガーの値打ちのようです。
しかしそういう風潮はなんだかさみしいではありませんか。
昔は海の向こうでも、サッチモことルイ・アームストロングなんてのは
低音の上にダミが入っておりまして、言ってみれば見事な「悪声」なのですが、
それがなんともいい味を出してたもんです。
「聖者が町にやってくる」なんてサッチモ以外に考えられないくらいです。
マーク・ノップラーくらいですかね、現役の低音の魅力。

そういえば黒人演歌歌手のジェロがフランク永井の「有楽町で逢いましょう」をカヴァーしたって
さっきワイドショーで言ってたけど、ジェロって低音の魅力かあ?
「夜霧の第二国道」なんて長嶋監督にあの声あの調子で歌われても困るし。
徳永英明の美声をしてもフランク氏のあの切なさにはカスリもしないはずであります。
金森幸介もあんまりライブ活動をサボっていると「ブランク長い」なんて芸名で呼ばれちゃうぞ。

男性の声域をダークダックスを例にとって分かりやすく解説しますと
ゾウさんがバス、ゲタさんがバリトン、マンガさんがテナー、パクさんがトップ・テナー
ということになります。よけい分かりにくくなりましたか。
更にその上に女性のソプラノに相当するカウンター・テナーという超高音声域を有する
シンガーも世界には何人かいらっしゃるようです。
もののけのメラさんなんかがそうですね。メラさんがもののけやんけという意味ではないですよ。
でも声の周波数が高くなって女性に近くなると
人間としての資質まで女性に近づくという法則は存在するような気がします。たぶん。
その中で金森幸介はどの声域に属するのでしょうか。
ゾウさんなみのバスではないのは確かですね。
「筑波山麓男性合唱団」では「コンダクターはガマガエル~」ってパートです。
ゲタさんのバリトンでもないですね。ちなみにダークのゲタさんのお顔はほんとにゲタです。
じゃ、テナーですか...パヴァロッティですか、ドミンゴですか、カレーラスですか...
カレーライスやったら好き好き好き好き好き好きす~やけど...どれもピンときませんなあ。
そういう声域とかに縛られないシンガーといった印象でしょうか。

「クルーナー」と呼ばれるシンガーがいますよね。
ビング・クロスビーとかフランク・シナトラとか、甘く囁くような歌唱法を持つ人たちです。

「君なあ、女性をクドくんやったら甘い言葉囁く練習してみ」
「そうか?ほんなら、砂糖...」
「アホ!そうやのうて、とろけるような甘い言葉やがな」
「...ハチミツ...」
「君とはもうやっとれんわ!しっつれいしました!」

...そうじゃなくて、マイクロフォンの登場によって独特の小声でつぶやくように歌う、
クルーン唱法という新しいスタイルを確立したことで
女性ファンをメロメロにしまくったシンガーたちのことであります。
ついでに敏いとうのハートもハッピー&ブルーにしたりして。
金森幸介は日本一、いや関西一...とりあえず神崎川流域一のクルーナーだと断定しときます。
そうどぇ~す、金森幸介は大甘甘甘シンガーなので~す。
えとえと、フェイバリット・ムービーは「アメリ」でぇ、カヒミ・カリィに夢中なの。
って、"デトロイト・メタル・シティ"のクラウザーさんやないねんから。
おっ!松山ケンイチね。彼最近いいわね。"Death Note"のLも甘党だったしぃ。

というわけで、今年のクリスマス・タイムには金森幸介が歌う「ホワイト・クリスマス」なんて
聴きたいですね。甘く切なく囁くように...
ライブ会場から「もう二度とクルーナー!」なんてブーがとんだりして。
あ~ああ~やんなっちゃった~あ~ああ~驚いたっと。

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