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エピソード96 Jesus Is Just Alright

待ち侘びたように街中をクリスマス・ソングや賛美歌が流れる季節になりました。
クリスマスと聞くと、たとえキリスト教徒でなくとも不思議と心暖かくなるようです。

金森幸介は時々「幸介さんはクリスチャンですか?」と言われることがあるそうである。
私の知る限りでは、金森幸介はクリスチャンではない。多分。
なぜなら彼の自宅には貧相な住まいとは不似合いに立派な仏壇が鎮座しているからである。
でもご先祖様の位牌の裏に密かに十字が彫られてたりして、隠れキリシタンだったりして、
などという可能性もあるので、一応「多分」としておく。
知恩院で拝観されてみたり、御霊神社のかがり火の中でトランスしてみたり、
足裏診断の集会で福永ホーゲン氏と「最高ですか~!」を唱和してみたり、
ミイラ状態に干からびたホトケさんを指して「体温十五度あります。生きてます。定説です」と
「って、そりゃ、体温やなくて室温やがな」というツッコミにもメゲずにISOICHIクリソツの顔で
笑ってみせたり、とまあ、節操のない宗教観をお持ちな様子である。

では金森幸介は何故クリスチャンとの印象を持たれるのか。
それはきっと彼の楽曲にそれと匂わせる雰囲気のものがあるからだろう。
「天にまします我らが父よ」といったそれらしい一節もある。
でもそれに続くのは「あなたに誰が救えよう 救えま~い!」という完全否定である。
まさに天に向かってツバを吐いて、落ちてきたツバで顔面ビチョビチョ状態である。
しかしこれは一種のタグ・クェスチョンである。
疑問を投げかける形で、救いを切実に求めているのだ。
宗教的で非常にストイックな印象の楽曲が少なくないのは確かである。
しかし楽曲がどんなにストイックであっても本人が必ず禁欲的であるとは限らない。

それと同時にルックスも関係していると思われる。
キリスト教徒には太った人間はいないという先入観がなんとなくある。
美人女優と結婚したある仏教系宗教家はメタボ系飽食海坊主といった佇まいだったが、
その女優さんのファンだという金森幸介に「この生臭ブタ野郎!」と泰葉並に罵られた。
キリスト教徒にはそんな金満メタボ君はいないという思い込みがある。根拠はないけど。
金森幸介の相貌はいかにも敬虔なキリスト教徒という風の痩身である。
いや、露天の岩風呂で拝ませていただく彼の裸形からは今まさに十字架を背負い、
ゴルゴダの丘へ向かわんとする聖人の孤高さえ漂っている。単に栄養失調なのかも知れないが。

私は聖人金森幸介に師事する十二使徒のひとりである。一生ついていきますである。
tambourine man氏や光玄氏など、あまり頼りになりそうもない仲間の一員である。
しかし金森幸介には「お前は俺にとってのユダや」と言われている。

オチで自虐したら他人をいくらコキおろしてもええと思ってるフシがあるな。こいつ。反省。
それではみなさん、幸せなクリスマス・タイムを!

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