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幸介からのメッセージ2005/01/11
目に映るもの、手に触れるもの、この世のすべてのものは
なにかしら人によってデザインされている。〔自然な風景〕
でさえ、それはそう見えるように不自然にデザインされた
ものである。僕たちは、誰もが、デザインから逃れるわけには
いかない。
さて、日下潤一氏は、ブック・デザイナーである。装丁家といった
ほうがより正確かもしれない。氏は、たとえば【芸術新潮】のブッ
ク・デザインを担当しておられる。もうそれだけで、氏がいかに格
調高い男であるか推し量れようというものである。いわゆる《教養
と髭はあるが、髪の毛はない》、そんなタイプの苦みばしった男で
ある。
美しい本を作るために日々身を、そして髪の毛を削っておられる日
下氏は、何故か僕のアルバム・ジャケットの多くも手がけて下さっ
ている。“緑地にて”も“静かな音楽になった”も“ロスト・ソン
グス”も“50/50”も“金森幸介/金森幸介”も、みんな、氏の仕事
である。
さて、これらのジャケット・デザインに少しでも興味のある方は、
今発売されている【季刊「d/SIGNデザイン」no.9(太田出版)】をご覧
いただきたい。氏の原稿が載っていて、僕のこれらのアルバム・ジ
ャケットについて、こと細かくその秘密が語られている。
美しい仕事をする人がいる。氏を見ていて、僕はいつもそう思う。
あのツルッパゲの眩しさは、仕事の素晴らしさの眩しさでもある。
光る男、その名を日下潤一という。
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