エピソード19 静かな音楽になった?

アルバム「静かな音楽になった」レコーディング現場でのお話。
前作「緑地にて」同様、服部緑地野外音楽堂のステージで行なわれた。
レコーディング作業も佳境に入った頃、
どこからともなく、「ピ~~」という笛の音が近づいてきて
音楽堂の入り口付近で停止した。
どうやら、演奏を聞きつけた軽トラックの焼きイモ屋さんが
コンサートと勘違いして店開きしてしまったらしい。
風の音、鳥の鳴き声、かすかな生活音は入り込んでも気にしない
コンセプトだが、焼きイモの笛はさすがにまずい。
しばらく中断してやり過ごす事になった。
20分、30分と時が過ぎたが、いっこうに動く気配がない。
しかしのんびり屋さんが揃ったスタッフは、午後のティータイム。
やがて小一時間が過ぎた頃、笛の音はようやく遠ざかっていった。
さあ、録音再開。しかし、金森本人が見当たらない。

と、入り口のドアが開き、金森が帰ってきた。
「どこ行ってたんや。幸介。録音、録音!」
聞けば、業を煮やして、焼きイモ屋さんに直談判
事情を説明して、移動してもらったとの事。
その時金森幸介の両手には、あふれんばかりの焼きイモが...
やったら面白いんやけど、それは無かった。

本人をアゴで使ってもケロッとしてる我々
幸介ヘッズもクソもあったもんじゃあない。
「フォーク界のカリスマ」も値打ちないなあ。

こんなエピソードを踏まえてCDを聞いてみると
どこかでかすかに、笛の音が聞こえるかも知れない。  ほら...ね。