エピソード23 丸太小屋の砂
みなさんはログハウスってご存知ですか?
丸太や角材を積み上げて、その上に屋根を乗っけて作られた建物です。
言ってみれば簡単そうに聞こえますが、
ほとんどが手作業の、根気と時間の要る工法です。
金森幸介の友人にこのログハウスを建てた男が二人います。
一方は一家が住む住居として、
もう一方はお店として建てられました。
「イサラギログハウス」
N氏の建てたこのログハウスはその地名からこう呼ばれています。
元々この地で生まれ育ったN氏でしたが、
高校卒業を機に大阪へとやってきました。
そして金森幸介のバンド等で活躍。
しかし血も涙も無い大阪の音楽界に失望(?)
愛する家族と共に故里へ戻る決心をします。
♪ララ~、ララ、ラララ~(さだまさし「北の国から」のテーマ)
先祖伝来の山から杉の木を自ら切り出し、途方も無い月日と労力をかけて
完成したのが冒頭の写真です。
地元の友人たちが運営する「ひつじカンパニー」のライブ会場として
場を提供することもあり、2年ほど前に金森幸介も招かれました。
余談になりますが、(まあ全部余談ですけど)金森幸介がステージで履く靴をご存知ですか?
そう、スニーカーですよね。でも、あれって自宅から履いてきたままの
靴じゃなく、ステージ用スニーカーなんです。
なにが違うかって?普段履いてる奴より若干きれいなんです。
そして汚れてきたら、普段履きに下ろされます。
「それってあんまり意味ないじゃん」ですって?
そういう細かい配慮が金森幸介の音楽へのこだわりなんです。
で、その日もステージを前にしてスニーカーを履こうとしたのですが、
ログハウスとは言っても普通の住居ですから、当然土足では上がれません。
そこで、金森幸介にピンチが訪れます。
別に靴下に穴があいてるとか、足が異常に臭いとかいう理由ではありません。
その日、彼が履いていたのは白地に青の縞々模様というベリーキュートな靴下だったのです。
椅子に腰掛けて演奏する彼のスタイルでは、足は非常に目立ちます。
かといって裸足のまんまっていうのもバンカラ過ぎます。
仕方なくシマシマ靴下でライブに臨んだのですが、
そのなんともおポンチな様は、全ての歌の説得力を無効にしてしまいました。
特に最前列に座ったお客さんは目の前でグルグル回されるシマシマ靴下に
「俺はトンボか?」と閉口されておりました。
「氣遊」
阪神高速道路池田線を最後で降りて、173号線をまっすぐ行くと
左カーブの手前にアラジンの魔法のランプの看板があります。
(えっ!コーヒーポットやって?)
その先の右手にログハウス「氣遊」(きゆう)があります。
金森幸介の友人であるI氏のお店です。
なにせ能勢という場所柄、I氏が車ではねてきた猪でボタン鍋を出してくれる
という噂の野趣あふれるコーヒーハウスであります。(あくまでも「噂」です。)
コーヒーも手作りクッキーも金森幸介の超お勧め(やっぱり甘党かい!)
特に外のテラスは四季を通じてくつろげる場所です。
こんな所で、親しい友人とバッタリ逢ったりすると
親交も更に深まるっちゅうもんですが、
その逆パターンもありますので気をつけましょう。
あっ、そうそう、今度の日曜日、8月26日
その「氣遊」で十周年記念ライブがあるんです。十周年おめでとう!
金森幸介氏と有山じゅんじ氏が出演します。
徒歩で行かれる方はそろそろ出発して下さい。
えっ、タイトルの「丸太小屋の砂」ってなんやって?
別に深い意味はないでヤンス。バート・ヤンシュ。