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エピソード5 真夏はマッチョマン
ここ何年か梅雨が明ける時分から、
プール開きを心待ちにしている男がいる。
他でもない 金森幸介五十才である。
ここではあえて、お前は子供かとは言いますまい。
プール開きから9月迄、ほとんど毎日
自宅近くのプールに通い詰めの生活を送るのだ。
水着に着替えるや、とにかく泳ぐ。
何かに憑かれたかのように泳ぐ。知ってしまったサルのように泳ぐ。
100mセットをプールサイドに一度も上がる事なく繰り返す。
かくして8月頃にはまるでヴィレッジ ピープルの一員のような
肉体が出来上がる。
隣りのコースのオッサンに「ええ身体してはりますね...♪」
と熱い視線を送られることもしばしば...
夏の二ヶ月間、水しぶきのむこうに彼が見ているのは
もしかしたら、あの頃、目の前にあった
ENDLESS SUMMERなのかも知れない な~んてね
そんな真夏のマッチョマンも10月の声を聞く頃には
いつものヘナチョコに戻るのであった。 あ~ すまんの~。
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