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TRIP#9  「部位」   その1 「指」finger

ある日びっくりしたのである。
金森幸介の、その驚きに満ちた指の長さに。
ズワイ蟹の脚かと思ったのである。

金森幸介のギター奏法のファンである僕は、時々真似して弾いてみる。
といってもKEYもコードフォームもでたらめ、クセだけつかんで、
ちょっとだけ似ていればそれで楽しいのである。
一度だけ、完全にコピーしてみたい、という欲望に駆られ
懸命に音を取ろうとしたこともあった。
しかし、似ていてもまったく同じ音にはならないのである。
何かが違う、これは一度じっくり観察しなければと、
楽屋で幸介がギターを弾くのを、至近距離で調査することにした。
そしてしばらく眺めるうちに、あることに気がついた。
僕は、幸介に手を見せてくれと頼んでみた。
すると、目の前に差し出されたものが、繊細な音楽からは想像もできない
ごつごつと節くれ立ち、異様にねじれ曲がった指だったので
めっちゃびっくりこいたのである。「こ、これは・・・・!」
何か特殊な訓練のために酷使された骨格や筋肉。
まるで大リーグボール養成ギプスをはずした星飛雄馬を見ているようだった。
僕は自分の手と幸介の手を合わせて大きさを測ってみた。
「うっ、うわーっ!」思わず叫んだ。
それは僕の手のおよそ倍ほどもあったのだ。(ちょっとだけオーバーに書いてます)
「かっ、蟹やっ!ズワイ蟹やーっ!」
「おまえの指が短いねん!」

もしみなさんに機会があったら、自分の手と 金森 幸介の手を比べてみましょう。
(本人の許可を得て下さいね。)
大きさだけではなく、長年ギターを弾いてきた激戦の跡にびっくりこくはずです。


 「あることに気がついた。」あることとは?
 図を見ていただこう。 
 これはギターのコードの押さえ方で
 ハイポジションの「D」を表したものだ。
 5フレットを人差し指1本で1~6弦を
 押さえている。
            
 
 次に下の図を見ていただこう。
 同じ所を押さえているが指が違う。
 親指が回り込んで5,6弦を押さえている。
 金森幸介はこっちである。
 このタイプ(人差し指1本で1~6弦)の
 コードフォームでは、ほとんどのKEYが
 親指で低音弦を押さえて
 演奏されているようです。
 従って、このフォームで弾けないと、
 このフォームから発展するであろう
 テンションコードも弾けないので
 金森 幸介とまったく同じ弾き方には
 ならない、小さい手の私なのでした。
    Have a Good Trip!

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